当科の特徴は悪性腫瘍の治療、小児科(新生児科)と協同しての周産期医療にあります。
特に悪性腫瘍は平成21年実績では子宮頚癌浸潤癌 39例、子宮体癌 30例、卵巣癌 28例、平成22年実績では子宮頸癌浸潤癌 62例、子宮体癌 37例、卵巣癌43例(うち境界悪性10例)です。
子宮頸癌では初期癌(上皮内癌〜1a1期)の若年者の場合はレーザー蒸散術もしくは円錐切除術を行い可能な限り子宮温存に努めています。
また1b〜2期の場合は手術もしくは放射線療法(または放射線化学療法)、3期以降の場合は放射線化学療法で治療を行っています。
子宮頸癌の根治的治療としては広汎子宮全摘術を行いますが、当院で同種間輸血を回避するため貯血を基本的に行うこととしています。
これにより以前は30%以上あった同種間輸血の頻度が現在4%程度まで低減しています。また広汎子宮全摘術の重篤な合併症である膀胱麻痺については骨盤神経、下腹神経温存に努め現在の所約95%が膀胱訓練開始後7日目には十分な自尿確保できるようになっています。
放射線治療(放射線化学療法)についても平成22年4月より赴任した放射線治療医とともに毎週のカンファレンスで適正な照射、副作用の防止について検討しながら治療計画を立てております。
子宮体癌は全身状態が許せば手術を行い子宮体癌への病変の進展、浸潤が1/2以上に至るもの、特殊な組織型には術後taxol,carboplatin併用療法を施行しています。
また状態不良で手術が困難な場合は放射線治療を行うこともあります。
卵巣癌は初期の場合は手術のみで治癒も可能ですが、進行癌では抗がん剤を組み合わせ可能な限り病変を摘出することを目指し手術を行っています。必要があれば外科泌尿器科の協力を得て膀胱、腸管の合併切除を行っています。
主な統計
子宮頸癌広汎子宮全摘術
5年生存率 86.5%
子宮頸癌3期
5年生存率 48.3% (放射線療法)
5年生存率 28.6%(放射線化学療法)
症例数が違い観察期間も違うので単純な比較は困難です。
子宮体癌
1c期(浸潤が1/2以上)
術後放射線治療
5年生存率 100%(術後化学療法群 症例も少なく、観察期間も短期です)
5年生存率 73.3%(術後放射線治療群)
3c期(主にリンパ節転移例)
5年生存率 62.9%(術後化学療法)
5年生存率 51.4%(術後放射線治療群)
卵巣癌
1c期(腹水に癌細胞が出現している例)
5年生存率 82.1%(手術と抗がん剤の組み合わせにより)
3c期(肉眼的に明らかな病変が腹腔内に蔓延している場合)
5年生存率 22.7%
お願い
現在外来が非常に混みあっておりすべての患者さんに対応することは困難となっています。
また手術の待ち時間が2ヶ月を越えることも多々有り定例の手術日以外の日にも麻酔科手術室の協力を得て緊急手術で対応し待ち時間の短縮に努めています。
このような事情更には産婦人科医師の減員もありますので以下のことにご協力をお願いします。
帯下の増量、痒み等の症状があった場合は近くの診療所でまず診察を受けていただき必要があれば紹介状を持参して頂ければ幸いです。
紹介後も安定してきた場合は診療所への逆紹介を行うことがあります。家庭医での長期的なフォローが必要な疾患も多々ありますので、ご協力お願いします。
がん検診、子宮がんワクチンについては当科では行っておりません。